駐在員のキャリアデザイン

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TOEICは無意味なのか

こんにちは、Keyです。

 

皆さんはTOEICを受けたことはありますか?

日本ではおなじみの資格試験ですよね。

英語力の基準として、多くの企業で入社や昇進試験の活用されています。

 

一方で、英語力をはかる目安としては適切なのか?は良く論点になるところです。

どちらかというと、「TOEICなんて出来ても、英語できねーよ。無駄。」

という意見が多いように思えますが、今回は私なりの意見を論じたいと思います。

■目次

 ▶TOEICでハイスコアが取れても、英語はできない

 ▶TOEICは苦手だけど、英語はできる?

 ▶英語力を図るのに適切な試験は?

 

TOEICでハイスコアが取れても、英語はできない

TOEICが990点、あるいはそれに近い点数が取れさえすれば

英語でのコミュニケーションに不自由はない、ということはありえないと私も思います。

理由は2つ。

まず、ご存知の通り、TOEICは「リスニングパート」と「リーディングパート」の2部構成であり

「スピーキング」と「ライティング」を図る要素はありません。

つまり、もともと総合力を図るテスト設計ではありません。

(※TOEIC Speaking & Writingというテストもあるようですね。知名度低そうですが・・)

 

しかしながら、日常生活しかり、いわんやビジネスの現場で「リーディング」と「リスニング」だけで完結する仕事なんていうのは殆どありません。

たとえば会議になれば、「まず英語文献で調査をして(リーディング)」「英語資料にまとめ(ライティング)」「それを英語で発表し(スピーキング)」「質問に回答したり、議事録にまとめる(ヒアリング+)」という複合技術が要求されます。

したがって、リスニングとリーディングができれば、英語力はNo problemというわけにはいかないのです。

 

もう一つの理由は、TOEICは小手先のテクニックで点が取れるという側面です。

私は海外駐在するまで、恥ずかしながらほとんどTOEICを受けたことがなかった為、

詳細はしらないのですが、どうやらTOEICには「秘伝のテクニック」があるらしく

それをマスター?すれば、800点後半くらいは取れるそうです。

 

私の前職の同僚にも、どう見てもヒアリングもリーディングもあまり出来ていないのに

TOEICは900点弱、という人が結構おりました。

曰く、「受験と同じでテクニックを覚えて過去問ときまくればハイスコアは出せる」とのこと。

 

これは、昇進や入社などのチャンスをつかむためにハイスコアを取らねばならない、という点では

非常に効率が良い方法だと思いますが、英語力を図るという意味では価値がありません。

TOEICは苦手だけど、英語はできる?

一方で、「俺、英語のコミュニケーションは全然問題ないんだけど、試験が苦手だからTOEICは700点くらいしか取れないんだよね」ということはあり得るのでしょうか。

 

私は、絶対にないと断言します。

なぜなら、リスニングにおいても、リーディングにおいても、「現場で要請される英語能力」の方がTOEICよりはるかに難易度が高いと思うからです。

 

例えば、リスニングのセクション2。

確か、音声のみで、質問が一文流れた後、同様に3つの回答文が流されて、適切な回答文を選ぶ、という問題でした(今は変わっているかもしれませんが)。

その内容は日本語で言うならば、

「新しいボスのJohnってどんな人?」という質問に対して、

「A. それは冷蔵庫に入っているはずだよ」

「B.   今度彼を美術館にさそってみるよ」

「C.   割りと厳しい人みたいだよ」

みたいな、問題なのです。

 

もちろん全部が全部、このようば問題ではないですが、実生活に比べれば

「ゆっくり、はっきり話してくれて」「コンテンツも極めて標準的」ですから

TOEICのリスニングでパーフェクトゲームができないようなら、英語会議の議事録を正確に取るなんて、絶対できない、すなわちビジネスにならない、というのが私見です。

 

逆に言えば、TOEICの勉強なんてしなくても、普通に英語で仕事ができる人なら

900を下回ることはないと思っています。

 

TOEICができる→英語ができるではありませんが

英語ができる→TOEICができる、は真だといえます。

■英語力を図るのに適切な試験は?

じゃあ英語力は何で測れば良いのか?ということになりますが、

TOEICマル秘テクニック」をまだ身につけていないのであれば

試験対策を敢えてせず、丸腰で受ける限り、TOEICは一つの指標になるのではと思います。

丸腰で900点以上を取れるのであれば、少なくともVerbal Communicationはそれなりに

取れる方なのではないでしょうか。

(リスニングは100%聞けるけど、一切スピーキングは出来ない、ということは無い気がします

聞ける音は発音できる、発音出来る音は聞けるはず)

一方で、ビジネスライティングは別の技術なので、これは測れないでしょう。

 

もし既にTOEICの小手先テクニックを身に着けてしまった人は

TOEFLやIELTSを受けてみてはいかがでしょうか。

こちらも「敢えて試験対策をせず丸腰で」受験するのもありと思います。

試験時間や構成は頭に入れていいと思いますが、素の英語力を試すのに試験対策はいらないはずです。