駐在員のキャリアデザイン

駐在員の転職・キャリアを考えるヒントにして頂くブログ

成長できる海外勤務、成長できない海外勤務

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こんにちは、Keyです。

私は日系企業の海外駐在中に転職し、現在はコンサルティングファームに勤務しております。

前職の日系企業では『海外勤務すればめっちゃ成長する』と疑わず、入社以来ずっと海外希望を出し続け、念願叶い駐在になりました(その時は駐在中に辞めるとは思ってませんでしたが・・)。

しかし、『海外勤務イコール急成長の場』とは言い切れないと今は考えています。

今日は、成長できる海外勤務と、成長につながりにくい海外勤務の二つがあるということについて私なりの意見を述べたいと思います。

 

目次

■成長の定義

■実際に海外勤務で成長できたか

■成長しやすい海外勤務

■成長しにくい海外勤務

■海外勤務による成長を最大化するには?

■それでも成長が難しい環境ならば

 

■成長の定義

まず、『成長とはなんぞや』をゆるめに定義しておきます。

ここでは、『ビジネスを目的とした場において、それまで出せなかった成果が出せるようになる、あるいは、同じ成果を得るのにかける時間が短くなること』と定義します。

イメージは、元マッキンゼー人事である伊賀泰代さんの『生産性』の定義に近いです(読んでない方は、面白いのでぜひ)。

ここで強調したいのは、あくまでビジネスを目的とすることに対象を絞っていることです。

つまり、海外の生活を知ることで、人として寛容になった、とか、XXXの文化や暮らしに詳しくなった、というのはここでいう成長ではありません。

もちろんこれは大切なこと(むしろロングタームではこっちのほうが大事かもしれないが)ですし、遠回りにはビジネス上の成果には繋がるかもしれませんが、あくまでビジネスマンとしての成果、キャリアアップに繋がるという意味に絞らせて下さい。

 

■実際に海外勤務で成長できたのか

 私の場合は、4年間ほど駐在をしました。そして、結論としては、大きく成長できたと思ってます。

どんな点においてか?具体的には:

  • 担当していたエリアを、マーケットという面で見れるようになった
  • それにより、木ではなく森をみてプランをたてられるようになった
  • 各国のメンバーの人間的な傾向を理解し、適切なコミュニケーションを取れるようになった
  • 英語のコミュニケーションに苦がなくなった(ていうかそれまで話せなかった)
  • 国内より役員が近いことから、偉い人への説明や資料で配慮すべき点を理解できるようになった etc...

 

できるだけ手を挙げて仕事を取りに行ったこともありますが、駐在Before Afterで見れば、市場価値はぐんと上がったと自負しています。

しかしながら、一方であるタイミングで成長が頭打ちになったのを感じました。

そしてそれが駐在中の退職につながるわけですが、論点がずれるので、こちらはまた別の機会にでも書きたいと思います。

結論として私の場合は、海外勤務は目論見通り成長できたし、転職を通じたキャリアアップにも一役買ったことは間違いありません。

 

■成長しやすい海外勤務

はじめに言っておきますと、どんな形であれ『まったく成長できない海外勤務』というのは殆どないと思います。

ここでいいたいのは、『成長やキャリアアップにつながりやすい海外勤務の条件』です。

私は思うに、4つ条件があります。

  1. ローカルメンバーが多い(レポート先、あるいは管理対象が非日本人)
  2. ローカル/他国のパートナー企業や顧客と頻繁にコミュニケーションを要す
    (主な相手も非日本人)
  3. 自分が日本でやっていた職種と異なる
  4. 日本にいたときよりも権限が大きい、役員・社長が近い

若干思いつき感があるので、特に漏れなくダブり無くな条件ではありませんが、ポイントは抑えていると思っています。

要は、日本人的なアドバンテージがあまりない環境かつ、これまでより大きいスケール・権限で仕事ができているか?という点がポイントと思います。

私のように語学が堪能でない人間が、このような環境にいれられると、しばらくは全くパフォーマンスが出ず苦しいことになります。

しかし、それを乗り越えた時に必然的に前項で定義したように『できなかったことができるようなった』ことだらけになります。

つまり急成長です。

こういう場にいらっしゃる方、いらっしゃった方は理解して下さると思います。

 

■成長しにくい海外勤務

では逆に成長に繋がりにくい海外勤務とは何か。

これは前項とは逆の環境、つまり『日本人が多くて、職務も過去の経験がそのまま活用できるような』場を指します。

例えば、それまで国内営業だったが、駐在で海外営業になる。

しかも相手のほとんどが日系企業の海外オフィスや工場である、こんなケースを想定しています。

もちろん、日本では起こらなかったようなことが起きたり、独特の商慣習に適応する必要があったり、成長の場はありますが、上記の『成長できる海外勤務』と比べると、その伸びしろはそこまで大きくなさそうです。

海外の日系担当営業が悪いということを言っているのではなく、あくまでビジネスマンとしての成長や転職などのキャリアアップの観点から考えると、相対的に成長しにくいのではないか?というのが私見です。

 

■海外勤務による成長を最大化するには?

では、成長しにくい海外勤務の方が、その経験値を最大化するためにはどうしたら良いでしょうか。

単刀直入にいえば、自ら仕事の範囲を拡げることだと思っています。

例えば職場が日本人だらけで、主要なクライアントも日本人だった場合、その環境自体は変えられません。

一方で、海外の方が日本よりも裁量権を任せられていることも多いハズ。

であれば、例えば営業であれば、対象のクライアントをローカル市場に広げてみる、とか、海外エリアにおけるアライアンスを企画してみる、②カ国以上にまたがるグローバルプロジェクトを提案してみる、など自ら仕事の範囲を拡げてみる、というのはいかがでしょうか。

制約条件は色々在るのは分かりますが、コンプライアンスに引っかからない限り、やったもん勝ちだと私は思います。

もし、それまでローカル企業に入り込めていなかったところの販路が広がったり、あるいは、物売りでなくパートナーシップなど新しい戦術につながる成果がでれば勿論御の字、失敗しても、成長や転職のネタには間違いなく寄与します。

 

■それでも成長が難しい環境ならば

 そして、もうやるだけやったけどもう飽きた!俺の/私の成長はもうサチってる!

という方は、社内で部門を変えるなり、有利な駐在経験を活用して転職するなりという方向を考えても宜しいかと考えます。

これは国内にいようが、海外にいようが関係ありません。私は海外でやめました。

尚、駐在経験者の転職メリットについては下の記事でも書きましたのでご参考まで。

chuzaicareer.hatenablog.com